MEEEMOO

たまには気分転換。
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やさしいごご
「ねえ、そんなに似てる?」
「そうね」
話す間も、ぼくの髪を撫でる彼女の手は優しかった
彼女が言うには、彼女の昔の知り合いとぼくはそっくりなのだそうだ。
顔でも性格でも背丈でもなく髪の手触りが、ひどく。
「綺麗なハニーブロンドでね、蜂蜜みたいにきらきらしていて触るとつるつるで、見た目はまったく違うのにね、手触りはあなたの髪によく似てた」
嬉しそうに懐かしそうに、さっきそう教えてくれた。なんだかちょっと気に食わなかったけど、それは言わないことにした。
「ほんとうに、綺麗な髪」
「そうかな」
毛先を伝わる通り過ぎていく指の感触が気持ちよくて、暖かい枕が心地よくて、ゆるゆると眠気が襲ってくる。重たいあたまが彼女の柔らかい膝に、ゆっくりと沈んでいく。
「これで金色だったら完璧なのにな」
彼女は楽しそうに僕の髪をすくう。指先からぱらぱらとこぼれた髪が、耳にかかってくすぐったい。
「そんなにすきだったの?」
「そうね。綺麗だし、すごく気持ちいいじゃない」
「そのひとのこともすきだった?」
「そうね、すきだった」
「…ぼくも髪の毛きんいろにしようかな」
「折角綺麗なのに勿体ない。わたしとそっくりな漆黒色はいや?」
「ううん、だいすきだよ」
でもままがね、あんまり嬉しそうにに蜂蜜色のことを思ってるから。
「わたしもあなたのこと、だいすきよ」
額にかかった髪の隙間に、やさしい唇が降ってくる。
(だいすきよ)
なら、いいかな
膝も手も唇もまなざしも、全部が柔らかくて暖かくて穏やかで。そんなきらきらに包まれて、ぼくはゆっくりと、まぶたをおとした。
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